りさと3人のDoctors
第35章 さすが蓮
「うん…。そうだよ、全部にぃにの言うとおり…。わたし、先生のことが好き…。ゆきちゃんに恋してるんだよって言われて、それから好きって思うと気持ちが止まらなくて。頑張れば頑張るほど、正直治療もしんどくなってきてつらいけど、でも先生のために頑張らなきゃって思って、痛くても痛いって言えなくなったの。つらいって伝えたくても、弱音吐いて嫌われたらどうしようとか思って言えないの。だからにぃににも嘘ついた…。」
(そうか、ゆきちゃんがりさに気づかせたんだ。きっとりさが蒼兄のお土産に悩みまくっててそういう話になったんだろな…。)
「そっか。りさの記念すべき初恋だね。好きな人ができると、突然世界が輝いて見えてなんでも頑張りたくなるよね。それも好きな人の前だと、振り向いてほしいし余計にね。」
そう言って蓮はりさを抱きしめた。
りさは、蓮が嘘をついたことに怒らず、自分の気持ちをわかってもらえたことがうれしくて、申し訳なくて、ずっと涙を流している。