りさと3人のDoctors
第10章 手術の検査
_____翌日
お昼になって、急患が入った蒼と蓮の代わりに、豪は検査のためりさの病室にやってきた。
「りさ、お昼ごはんちゃんと食べたか?」
「うん…。」
「よし、今からちょっと検査するからな。まず、胸の音聴くよ。ゆっくり深呼吸しててな。」
豪はりさの服の下から手を入れると、丁寧にりさの胸の音を聴いた。
「うん。大丈夫だ。次は血圧測るぞ。」
聴診が終わると、一緒に来ていた看護師が血圧を測った。
「先生、血圧は119/60です。」
「うん、問題ないな。じゃあ、りさ、最後に血液検査だけして今日は終わりにするからな。」
「えっ…、血液検査するの?」
りさの表情は一瞬にしてこわばった。
「りさちゃん、腕見せてくれる?」
看護師が血管を探し始めると、りさの目には涙が溜まり始めた。
「りさ。まだ刺してないだろ?泣くの早いぞ。」
そう言いながらも、豪はりさの手を握ってあげる。
「ごめんね、ちょっとチクってするよ~。」
「んん"っ……」
針が腕に刺さると、りさの目から涙がこぼれた。