りさと3人のDoctors
第13章 退院と約束のおでかけ
りさはよっぽど楽しかったのか、車に戻ってもまだしょんぼりしている。
「よし、行くぞ。」
運転担当の豪が車を出すと、りさは名残惜しそうに窓の外を眺めた。
「ねぇ、りさ?」
すると、後部座席でりさと一緒に座ってた蓮が、外を眺めるりさの肩をぽんぽんとして…
「じゃーん!」
りさが振り返ると、蓮の手にはイルカのぬいぐるみがあった。
「え!?これ、どうしたの?」
「りさがトイレ行ってる間にこっそり買ったんだよ。」
「えぇ!にぃに、ありがとうっ!!」
りさはイルカのぬいぐるみをうれしそうに抱きしめる。
「おい、蓮。なに1人だけかっこつけようとしてんだよ。りさ、それ、俺と蒼も、3人からのプレゼントだからな。」
「豪兄〜、ネタバラシしないでよ〜。」
「みんなで買ってくれたんだ。みんなありがとう…。一生宝物にするね!」
りさが大喜びで、3人とも照れくさそう。
それから家につくまで、りさはずっとぬいぐるみを抱きしめたまま、いつの間にか蓮の膝の上で寝てしまった。