蜃気楼の女
第21章 学園
学園長が笑いながら、櫻子に言った。学園長の名前は田所平八郎、そういう名前と言うことを、今更ながら、知った。当初、櫻子は学園長の存在など、どうでもいいと考えていた。学園を乗っ取ったら、学園長は自分の女の魅力を使って、蜃気楼の女がするように、男をセックス漬けにして、セックスのことしか興味を抱けない、でくの坊の、廃人同然にしてやろう、と計画していた。そういう、展開を考えて学園に乗り込んだ。学園長だって気持ちがいいセックスライフを送れるのだから文句などないであろう、と考えていた。ところが、全く、計画通りに行かない展開になった。それどころか、あろうことか、だまそうとしていた高齢のおじいさんの魅力にはまりそうになっていることに、櫻子は気づき始めた。おじいさんって、あたしのタイプかもしれない? 今まで、そういう男性が周囲にいなかったから全く思い当たらないでいた。そう思いながら、櫻子は学園長の肉棒を味わえないことを知ると、ますます、うずく股間を静めるため、両手で押さえつけながら思った。
「ああ、このモヤモヤをどうしたらいいの? 」
「ああ、このモヤモヤをどうしたらいいの? 」