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蜃気楼の女

第36章 橋本浩一の記憶

 髪をなでられた尚子は橋本の思いを感じると、うれしくて舞い上がった。舌の全面で、亀頭から根元に掛けて、クチュウクチュウという音を立てながら、丁寧に往復させた。橋本は心棒が暴発するのではないか、というくらい快感が高まってきた。尚子は、竿の端から端までの往復をゆっくり舌の裏表を使ってなめることを繰り返す。その動作が折り返し地点で、快感の波が変わって、息をつくことができた。尚子は、すぐに、舌をヒクヒク振動させながら、次のコースに移動させた。
「あっーあっーー ううぅーー」
 橋本のうめき声が止まらなかった。尚子の舌先がさおの往復を10回ほどしたときだった。橋本はもう限界になっていた。
「あぁつーー もう、出そうだぁー……」
 それを聞いた尚子は、往復を止めて、鈴口に舌を移動させていく。亀頭に液体がにじみ出ていた。舌先を付けると、しょっぱくて苦いような味を感じた。尚子はもっと味を感じたくて、亀頭を一気に口の中へくわえた。その途端、橋本が叫んだ。
「ああぁーーー それってぇー 今、口の中?ーー」
 尚子はくわえながら顔を橋本に向け、亀頭のくびれを舌の表と裏で交互になめ上げた。橋本はついに足を伸ばしきってあごを天井につき上げた。
「ああああぁあぅーー 出るぅううーー」
 橋本はうめき声を上げて、瞬く間に、尚子の口の中へ、精を放出してしまった。
「ぅうううううぅぅーー」
 叫び声を上げる橋本は、呼吸を荒くし、あごをしゃくり上げるように背中をのけぞらせた。1回目の精を放出すると、続けて、2回目を放出した。尚子の吸引する舌の動きを分身全体が感んじて、すぐに、3回目を放出した。

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