
蜃気楼の女
第19章 遺伝子
自室の机の上に置かれた尚子の全身写真を見ながら、進一は慌てて口をつぐんだ。ワンピースを着た尚子の全身写真を見ながらも、スカートの下の尚子の恥部を想像する。そんな繰り返される尚子に対する妄想をしていることが、尚子に対し後ろめたい。好青年を演じることに終始し、尚子に今まで接してきた。しかし、そんな進一の妄想を尚子は、いつも自分の部屋から透視しながら、自分の体を見て勃起する進一を見て、いつも楽しんでいた。ああ、進ちゃんはあたしの柔肌を触っている妄想をしてるの? あんなにあそこを固くしちゃって、手で押さえている。かわいいなあ。ほんと、真面目なんだから。ああ、進一の長け狂ったあれ、ほしいなあ。尚子は進一の様子を自室から透視していると、段々腹が立ってくる。
「さあ、これから日本を変える、世界を変える。未来を変える! 打倒、立て、若ものたち、女子は立たないけど、女子も立て! さあ、とことん交わろう! 」
尚子はとにかく早く進一と心底、愛し合いたかった。進一の興奮しているジュニアを見る尚子は、進一は正常な男子なのに、何故、自分を抱いてくれないのか、理解できないでいた。もっと、女の子に対し、積極的に生きてほしい。尚子が開発したセックスに対する免疫療法増加用AI機能付きアダルトドールは、臨床試験により国の認可を受け、公式アダルトドールとして、若者に1体ずつ貸与されるという施策が首相談話として発表された。
しかし、日本国内の青少年に行き渡るには2年は掛かる。櫻子が政府の中枢に働きかけ、貸与するように画策したものだ。櫻子はセックスをしないと生きられない体に若者の本能を開発しようとした。しかし、日本征服の野望はなかなか進んでいかない。櫻子はイラついた。ドールは精密機械であり簡単に量産化できないから、普及に時間は掛かる。それでも、早く手に入れた若者からは好評だ。彼らはお相手ドールと呼んだ。悲しいとき、寂しいとき、時に話し相手となり、そして、やるせないとき、誰に対しても等しく、とてつもない快楽を提供した。彼らの喚起の叫びを聞くと、櫻子は嬉しかった。
「尚子、アダルトドールの増産をもっと頑張って進めてね」
「さあ、これから日本を変える、世界を変える。未来を変える! 打倒、立て、若ものたち、女子は立たないけど、女子も立て! さあ、とことん交わろう! 」
尚子はとにかく早く進一と心底、愛し合いたかった。進一の興奮しているジュニアを見る尚子は、進一は正常な男子なのに、何故、自分を抱いてくれないのか、理解できないでいた。もっと、女の子に対し、積極的に生きてほしい。尚子が開発したセックスに対する免疫療法増加用AI機能付きアダルトドールは、臨床試験により国の認可を受け、公式アダルトドールとして、若者に1体ずつ貸与されるという施策が首相談話として発表された。
しかし、日本国内の青少年に行き渡るには2年は掛かる。櫻子が政府の中枢に働きかけ、貸与するように画策したものだ。櫻子はセックスをしないと生きられない体に若者の本能を開発しようとした。しかし、日本征服の野望はなかなか進んでいかない。櫻子はイラついた。ドールは精密機械であり簡単に量産化できないから、普及に時間は掛かる。それでも、早く手に入れた若者からは好評だ。彼らはお相手ドールと呼んだ。悲しいとき、寂しいとき、時に話し相手となり、そして、やるせないとき、誰に対しても等しく、とてつもない快楽を提供した。彼らの喚起の叫びを聞くと、櫻子は嬉しかった。
「尚子、アダルトドールの増産をもっと頑張って進めてね」
