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風に吹かれて2

第47章 旅は続くよ

職場で同期の坊ちゃん(永遠の21歳)を見てても感じますが、世間知らずの若いコが私はとても好きでして。
決して悪い意味ではなくて、若いって無邪気でおバカでいいなぁ、と眺めておりました。

用がありフロントに行った時にね、その坊ちゃんズの一人が私の隣にやってきて、ホテルスタッフのお嬢さんと話してたのが面白くて。

「あ、ゴミ袋欲しいんすけど」

ごく普通に仰るのを隣で聞きつつ、そういうものは家から持って来なさいよ、とオバちゃんは思ったわけです。
案の定、フロントのお姉さんは戸惑とお断りの意を滲ませて復唱しました。

「ゴミぶくろ、で、ございますか……」

「8枚ください」

「はっ!? ちまい、で、ございますね……全てはご用意出来ないかもしれません……お渡し出来るか確認してまいります」

うぷぷ、と心の中で笑いを堪えましたよ。

これは日本式建前で、本音としては違うことを言いたいのを我慢してるんだけど。子供には通じないよね(笑)。

『そういうサービスはやってないんですけどアナタもお客様だしムゲには断れないから一応確認してきますね、だって私が後から叱られると困るんで。ネットに書かれても困るし。ホテルだって経費削減を頑張ってるんだけど学生さんに言ってもねぇ。一人にあげると全員来るんじゃないの?どうしよ〜』

って感じでしょうか(笑)。

当然、坊ちゃんには通じてないので彼はごく普通に答えました。

「あ、有るだけ全部ください」

「有るだけ……お待ちくださいませ」

有るだけ君にあげたら必要な時に使う分までなくなるじゃん(笑)。
オバちゃんは楽しくなってきて、笑いを堪えるのに必死です。

結局、要求の半分4枚のゴミ袋をゲットして坊ちゃんは去って行きましたよ(お寝間着姿で)。
面白かったわ~。←



私も仕事で接客の際にガッツリと敬語を遣う職種なので、限られた言い回しの中でいかに困惑している心情を汲み取っていただくか、という状況になることがあるんですよね。
お姉さんの心情、思わず察してしまいます。

例えば、私は業務で英語を遣うことがたまにあるんですけども。ペラペラは話せないのでいつも非常に困惑するんです。

「エイゴハナセマスカ?」

「えっ!? いご、でございますね。かしこまりました」

こういう感じですね(笑)。



予定ではもう一週間ぐらいお泊りですかねぇ。

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