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風に吹かれて2

第51章 時代

で。昔の裁判の話から、現在の件に戻りますけれども。

おさらいとして、前社長が犯罪者であるという認識は間違っているし、仮に本当に有罪判決を受けていたとしても、犯罪歴がある人だからと言って再犯したと決めつけることは出来ないです。



これまでにも事務所を辞めた方が何人も、同じような被害を本に書いて発表したりしてきました。それはどうなのよ、という見方もありますけど。

有名なフォーリーブスのメンバーだった方の本ね。
私も中年だから当時の記憶はありますけれども。
あの時の空気感としては、本当かどうかわからないからまともには取り上げられなかった、ですね。
ゴシップ。噂。

正式な訴えを起こした人はおらず、きちんと白黒ついたわけではないですからねぇ。
社長が存命だったのに訴えなかった。



勿論、本当だった可能性もあります。
今回の件も、前社長が本当にそういうことをしていた可能性もあります。

私は前社長が完全に何もしていないと言っているのではありません。
わからないことであり、当事者の社長が亡くなっているのだから、証拠が出て来なければ断罪は出来ない、と言っています。



なので。
現在の社長さんが動画の中で「容易ではない」と述べたことについては、そう言うしかないだろうな、と思いました。

その上で、被害を訴えている人のことを「重く受け止めております」なので、彼らが嘘をついているのではないとして受け止めて対応していく、ということですね。

自分の親族が犯罪を犯したとされて、証拠もなく裁判もないのに決定事項のように断罪されていても、受けとめる。
と言っているので。
この件について、被害を訴えている方々と争うつもりはない、という表明かと思います。



本来であれば、ここで事務所側が被害を訴えている方々に対し、賠償なり何らかのケアなりを行って、気持ちを納めていただき和解としてもらう、のが道筋なんですけどね……。

今回の件、複雑にいろんな要素が絡んでいますが、ごっちゃにしては永遠に解決せず、ただ世論にかき回されて後味が悪いだけの結果になるような気がしています。

被害を訴えている方々に対する対応と、事務所が企業として改善していくことや社会としてこのようなことが起きないようなシステムを作っていくことは、別の問題としてそれぞれに動いていくしかないことです。

一旦〆ますね。

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