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風に吹かれて2

第53章 Crazy groundの王様

例えばですけれども、どこかの企業で仮にこのような問題が起きた場合、一般的な社会人は彼のような方法はとりません。

刑事事件であれば本来は即警察ですけども、今回みたいに過去のことで当事者が亡くなっているという場合は、そういうわけにもいかないので。
まずは当事者同士で話し合いですよね。

一旦はちゃんと相手方に会わないと。
電話でも文書でもいいから、どういうことがあって自分がどんな被害を受けたのかと、それに対して何を望むのかを明確に相手方に伝えなければなりません。
どんなにやりたくなくても、当事者とコンタクトせずに進めて良いものではないです。

その上で、話がまとまらなかったら→公的機関に持ち込んで行政に相談する→それでも解決しなかったら告訴して法の判断を仰ぐ。



彼はどれもやってない。

いきなりの記者会見は、相手が大きな芸能事務所でセンセーショナルな内容だからこそ出来た不意打ちでした。
正直、真っ当じゃないやり口ですね。



記者会見では損害賠償請求は考えていない、と仰ってましたが、元の彼女さんはSNSで、「彼は以前からこれは金になると言っていた」と発信しています。

ご本人も事務所に訴えられたと虚言を発信してみたり、YouTubeで現役タレントの名前を出して同じく被害者だと言ってみたり。

ちょっと申し訳ないけれども、これまでの彼の言動からは、私はあまり誠実さは感じないです。



お金が欲しかったのなら、あの会見の前にBBCの番組は放送されていたんだから、直接事務所にコンタクトしたって良かったんです。
きっと、頭ごなしに否定したりせずに和解しようとしたと思います。

それをさぁ、補償は求めてない、って。

わざと和解の落としどころを曖昧にして問題を長引かせ、一般的な同ケースで提示される補償以上のものを引き出そうとしていたんだろうな、という印象を持ちましたね。

勿論、実際の所どういう狙いがあったのかは分かりませんが。お客様相談室で苦情クレームを専門に対応していた経験から言わせていただくと、そうなります。



彼は「他の被害にあったメンバーにも前に出て来てほしい」とも仰ってました。

赤君が絞り出すように言った言葉と比べてみると、口火を切った彼の幼さ、未熟さ、軽率さが大変よくわかります。

20代なんて、まだまだ子供だものね。
唆されたんだろうなぁ……。

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