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風に吹かれて2

第18章 静かな夜に

「位の高いお坊さん」「老成したアイドル」「海釣地蔵」などと評されてきた青君ですが、やっぱりあの静かな佇まいがそういう言葉を連れてくるのでしょうか。

思うに、青君が自負心のある癖の強い人から凄く好かれるのは、彼があまりにも静かで余計なことを言わない人だから、ってのが大きいのではないかしらん。

自分に追従しておべっかを使う人や、気を遣ってYESばっかり言ってくれる人に囲まれてるとさ、勘違いしちゃうじゃん。自分は大したもんなんだ、って。

近づいて来ない人が不思議だろうし、そのうち不安になるんだろうな。

どうしてこの人は挨拶程度で何も話しかけて来ないんだろう、自分のことが嫌いなのかな?
あれ、そうでもない?
じゃぁ、なんでだ?

って興味が湧くんだろうね(笑)。



赤君が青君のことを「孤高の存在」と言ってたけど、私の目には青君は本当の意味で自立している人に見える。
他人からの肯定で自分を成り立たせない人。

誰かと同じでないと不安になってしまうような未熟さだったり、注目を集めて褒められたい承認欲求が全然ない。
ステレオタイプの真逆。

なんだけど、周りが彼について行けなくてキョトンとする場面では、「え、俺どうした?」って(笑)。

ちゃんと周りに合わせて、他人の気持ちを思い遣れる。優しい人。

そりゃぁ、一人の時間も静かな時間も、絶対に必要だよ。
もう涙が出ちゃう。



もう大分前の話になるけど、私には30歳ぐらいの時に物凄く影響を受けた年上の女性が居まして。

彼女は私の10歳以上、お姉さんだったんだけども、同郷だから、ってご縁でとても可愛がってくれてね。
自立について、ちゃんと教えてくれた唯一の人でした。

親も学校も教えないから、有り難かったなあ。

当時、何か相談したりすると、孤独を怖がっているうちは自立できないよ、ってよく言われてました。
本当に自立したら、決して自分が一人ぼっちだなんて思わないんだけどねぇ、ってね。

そうそう、書いてるうちに思い出してきた。
創造は孤独から生まれる、とも言っていた。
文字にすると何か宗教ぽいけど、違いますよ。
普通の人です(世田谷マダム)。

そっか、青君は創造する人だもんね。
何か描いてるのかな……。

どうか暢気に笑っていてくれますように。


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