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風に吹かれて2

第25章 ファイトソング

そしたら針有タイプも使ったことはあるんですって。
ただ学校だと、針がなくなったら先生のところに持って行って先生が針を入れてたから知らないんです、って。

あらー、そうなのねー、じゃぁ一つ覚えたねぇ、なんつって。

で、セロハンテープで留めたことにしたヤツを、悪いけどこれやり直してね、と言って彼女の元を離れてしばらく後。

「すいません、壊れました……」と申し訳なさそうにホッチキスを差し出してきたので、どれどれ、と見てみると。
残り僅かになった針が横を向いてて、噛んだ状態になっていました。

ほんでまた、あーこれねー、って言って、目の前でハサミを使って針を取り出して、新しく入れ直したんですが。
控えめに言って、なかなか衝撃的な出来事でした。
(;^ω^)



私の甥が彼女と同年代なので、後日、甥のお母さん(私の義妹)と話してる時にふと思い出し、そう言えばさ~、とネタとして話題にしたんですけども。

この話を聞いた彼女は全然笑わなくて、こわばった顔で「やばいです、ウチも知らないかも……」と青くなりまして(マジか)。

い、一応念のため確認しといた方がいいかもね……と、盛り上がりもせず尻すぼみに終わったという。
(^_^;)



今の職場ネタだと、同期に21歳の男の子が居まして。まぁ、おバカでめんこいから仲良くしてます。

ある時、私がお客様の応対をしていたら「痴呆症」という単語が出たんですね。

ご家族が認知症で大変だ、という話をお客様がなさって、申し訳ないけど業務には関連がない内容だから私は相槌を打つ感じで伺っていました。

お客様としては共感してもらえないと感じたのでしょう。
伝わってないからもっと強く訴えないと、とお考えになったのか、何度も繰り返して仰って。

で、話が長くなるのもアレなので、しょうがなく「そうですか、それはご心配ですね」とか言ってたんですけども。

お客様対応が終わってから、私の脇で一部始終聞いていた同期の坊ちゃんが、質問いいですか? と。



「チホウ症、って地方に特有の病気か何かですか?」



…………。



あー、知らないよね、うん、最近は言わないもんねぇ。

なので、説明しましたよ。
地方に特有の病気ではないですよ、と(笑)。

「へぇ、そうなんですね、初めてわかった」

訊いてくるだけ君は見込みがあるよ。
将来が楽しみざんす。

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