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石川にとって、手術後の最初の夜は拷問のようだった。

おそらくかなりの熱が出ていると思われた。体が熱く、特にベッドに接している背中が無性に熱い。背中を浮かせるため、動いて体の向きを変えようとするが、動くと手術で切ったお腹のあたりが酷く痛いく、なかなか動くに動けない。どこに力を入れると痛いかを探りながら、痛くないところの筋力を使って体の向きをなんとか変える。亀が歩くスピードよりもゆっくりとだ。石川は、一晩中その行動を繰り返した。

朝はいったいいつになったら訪れるのか…。これはある意味拷問だ！

そのうち石川が、気付かないままやっと眠りについた。