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ドSな兄と暮らしています

第6章 汐夏の挑戦


夜中、熱でうなされる私の傍にやって来て、兄ちゃんが検温をする。解熱が充分に認められないと、また坐薬の時間がやって来る。

兄ちゃんは熱を計って体温を読み上げる。

「38度9分か……思ったようには下がらないね」

体温計をしまうと、枕元の薬の袋から坐薬を1つ取り出す。私は残った少しの体力を振り絞って、嫌々と首を振るけれど、兄ちゃんには受け入れて貰えない。

「ごめんな。早く良くなろうな」

兄ちゃんも、私のつらさをわかっていた。

ただただ、恥ずかしくて、痛くて、苦しい時間だった。

熱のせいか、恥ずかしさのせいか、目に涙をいっぱい溜めた私を見て、兄ちゃんは「ごめんな」と頭を撫でてから、私のスボンと下着を下ろすと、ゆっくりとお尻から薬をさした。

「ん……んーん……うー……」

今日2回目の坐薬。ゆっくりと割入れてくる異物感。
肛門の筋肉が、痛みで無意識に動く。
ひくつくお尻の穴をティッシュで抑えられながら、その不快さと情けなさに泣いた。

「んっ…んっ…く、く、……んっ、んくっ、」

「うん、つらいな。嫌だね。ごめんね。もう少し力抜いて我慢してな……」

いきみそうになるのを兄ちゃんの指がしっかり押し返す。
つらくて、つらくて、そのつらい気持ちですら言葉にして兄ちゃんには伝えられない。

こんなに恥ずかしい気持ちで頑張っても、熱はなかなか引かない。

兄ちゃんは、その度に「ごめんね」と繰り返して、私のズボンと下着を下ろしながら、苦しそうな表情をしていた。
兄ちゃん、そんな顔して謝らないでよ……
私の涙を拭いながら、頭を撫でる。

寝て起きて、熱を計って、坐薬。

逃げる気力もなく、そんな地獄のような日々を、丸3日間過ごした。


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