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ドSな兄と暮らしています

第2章 生活

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「ただいま〜」
合鍵を使って家に帰る。
靴を脱いでそろえる。

学校から帰ってくるとやることがある。
真っ先に向かうのは、冷蔵庫の前。

家事分担表の確認だ。
兄ちゃんが月の初めに作ってくれる。帰ってきてからすぐにこれを確認するのだ。

平日の家事は、買い物・料理担当と、洗い物・洗濯担当の2つに分かれる。
兄ちゃんの仕事は不規則勤務なところもあって、兄ちゃんのシフトと照らし合わせて、作られる。
だいたい、兄ちゃんの帰りが遅くなる日が多いと、私が買い物・料理担当の時が多くなる。

今月の分担表を作る時、兄ちゃんが言っていたことを思い出す。
「しお、ごめんな。俺、今月は仕事で遅くなること多いから、しおが料理担当多くなるかも」
「別にいいよ〜! 料理、嫌いじゃないし」

ーーなるほど。今週の分を見ると、週に5日、料理担当になっていた。
2人とも休みの日曜日は外食って決まりになっているから、ほぼ毎日私が夕飯を作ることになる。
やっぱり今日は兄ちゃんの帰りが遅くなるのか。

わたしはそのまま冷蔵庫を開けて、中身を確認する。ひき肉がある。
次に、常温の食品が入っている戸棚を開けた。トマト缶とパスタがあるのを確認して、今日はトマトソースのパスタにしようと決める。

スーパーは学校と反対側にあるので、1度着替えて出かけていく。
玉ねぎ、にんじん、卵と牛乳も切れていたので、カゴに入れる。
兄ちゃん、仕事で遅いだろうしなぁ。
そう思って、ビールのつまみになりそうなスルメとかかまぼことかを適当に見繕って、カゴに入れる。兄ちゃんは、戸棚につまみが入っているのを見ると、いつも喜んでくれる。

いつからか、どちらともなく、わたしが買い物担当のときは、兄ちゃんの酒のつまみを、兄ちゃんが買い物担当のときは、私のお菓子や朝のカロリーメイトを買ってくることになっていた。

家に帰ると、早速料理にとりかかる。
玉ねぎやにんじんをみじん切りにするのも、慣れたものだ。
料理はほとんど兄ちゃんが教えてくれた。

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