ドSな兄と暮らしています
第7章 ふたりのこれから 〜最終章〜
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4月。春になった。
今日は天気がいい。
この4月になってから、準備の工程が1つ増えた。
それは、お化粧をすること。
でもあんまり得意じゃないから、ナチュラルメイク。相変わらず朝は時間がない。
バタバタと準備を済ませて家を出る。
「兄ちゃん、もう家出る〜!」
兄ちゃんは玄関先で靴を履く私を見送りに来て、ニヤニヤしながら私に言った。
「水曜1限、なかなかお寝坊ですなぁ」
火曜日と水曜日が、1限のある日。
水曜日の方がなかなか起きられない。
「だって起きられないんだもん〜!」
「ほれ、おにぎり」
「ありがとう!」
私はおにぎりを受け取ると、肩からかけたトートバッグに入れた。おにぎりはまだ卒業にならなかった。
高校生の時は毎日おにぎりだったけど、この春からは、起きられない水曜だけになっている。
「いってきます!」
「うん。気をつけろよ」
兄ちゃんが私の頭を撫でる。
何も変わらない。変わったとすれば……
私が大学生になったことくらいかな?
4月。春になった。
今日は天気がいい。
この4月になってから、準備の工程が1つ増えた。
それは、お化粧をすること。
でもあんまり得意じゃないから、ナチュラルメイク。相変わらず朝は時間がない。
バタバタと準備を済ませて家を出る。
「兄ちゃん、もう家出る〜!」
兄ちゃんは玄関先で靴を履く私を見送りに来て、ニヤニヤしながら私に言った。
「水曜1限、なかなかお寝坊ですなぁ」
火曜日と水曜日が、1限のある日。
水曜日の方がなかなか起きられない。
「だって起きられないんだもん〜!」
「ほれ、おにぎり」
「ありがとう!」
私はおにぎりを受け取ると、肩からかけたトートバッグに入れた。おにぎりはまだ卒業にならなかった。
高校生の時は毎日おにぎりだったけど、この春からは、起きられない水曜だけになっている。
「いってきます!」
「うん。気をつけろよ」
兄ちゃんが私の頭を撫でる。
何も変わらない。変わったとすれば……
私が大学生になったことくらいかな?