優しく繋がる赤い糸
第2章 1st side -Natsume-*Act.2
それから、夏目と萌恵は休日にちょくちょく逢うようになった。
もちろん、〈当り障りのない関係〉だから、日中に映画を観て、そのあとに食事というのがいつもの行動パターンだった。
そして、あまり遅くならないうちに、夏目が車で萌恵の自宅まで送った。
◆◇◆◇
この曖昧な関係は三カ月ほど続いた。
その間、萌恵は特に不平を漏らすことはなかった。
むしろ、夏目と一緒にいることがつまらなくなっていたかもしれない。
萌恵はまだ若く、夏目にはもったいないほど可愛い。
同世代は興味がないと言ってはいたが、やはり、夏目のようないわゆるオヤジよりも若くて見た目も良い男に心変わりしても不思議ではない。
本音を言えば、萌恵に逢う毎に萌恵への想いが募っていた。
萌恵を自分だけのものにしてしまいたい、と思いつつ、同時に、見限られたら静かに身を引く覚悟でもいた。
萌恵にはまだ未来がある。
そんな若い彼女を縛り付けてしまうことに、少なからず恐怖を覚えた。
もちろん、〈当り障りのない関係〉だから、日中に映画を観て、そのあとに食事というのがいつもの行動パターンだった。
そして、あまり遅くならないうちに、夏目が車で萌恵の自宅まで送った。
◆◇◆◇
この曖昧な関係は三カ月ほど続いた。
その間、萌恵は特に不平を漏らすことはなかった。
むしろ、夏目と一緒にいることがつまらなくなっていたかもしれない。
萌恵はまだ若く、夏目にはもったいないほど可愛い。
同世代は興味がないと言ってはいたが、やはり、夏目のようないわゆるオヤジよりも若くて見た目も良い男に心変わりしても不思議ではない。
本音を言えば、萌恵に逢う毎に萌恵への想いが募っていた。
萌恵を自分だけのものにしてしまいたい、と思いつつ、同時に、見限られたら静かに身を引く覚悟でもいた。
萌恵にはまだ未来がある。
そんな若い彼女を縛り付けてしまうことに、少なからず恐怖を覚えた。