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スーパーおにぎりマーケット

第1章 匂いと季節

『春の夜の匂い』をかぐと、

大学時代に友達と、深夜までファミレスにいて、ファミレスから家まで自転車で帰る時のことを思い出します。

仲が良かった友達と3人で、部活終わりからずっと一緒にいました。
大したことない話をしながら、ドリンクバーとフライドポテトを頼んで、長居する。

そんな日にも、いつか終わりが来るとは思えなかった、大学時代です。


近い未来に、「人と会わない」を推奨されることなんて、微塵も考えなかった。
近い未来に、「こんな他愛のないことが贅沢だった」と振り返る日が来るなんて、微塵も考えなかった。

考えなくて良かったって、すごい幸せなことじゃんって、あの頃の自分に心の中で、声をかけています。

でも、前に進まないといけないから、せめて、マスクを外して深呼吸だけ。

深くて高い、どこまでも続く夜の空を見上げながら、深く息を吸って、家までゆっくりと歩いています。

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