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異世界転生しなくても美女とハーレム

第8章 寝取られた妻

ピコ~ン



メッセージの通知にビクリとするが、相手は仁美だった。



>すみません、お仕事中に

>ちょっと話せますか?



私の嫌な予感が的中したのだと思った。

直ぐに返信する。



>ちょっと待ってて、直ぐに電話する



私は休憩するふりをして、加恋との密会で使用していた非常階段へと逃れた。

おそらく、麻理と遭遇して何か言われたのだろう。



仁美にコールすると直ぐに彼女が応答した。



『すみません、お忙しいところを』



「いや、良いんだ。 何かあったの?」



『今朝、麻理さんという女の子が莉奈ちゃんを連れて来たんです』



(やはり……か)と苦い気持ちになる。



「それで、何か言われたの?」



『すみません、一夏さんの事を凄く良いお父さんだって、言われて……、つい嬉しくなって、お喋りが弾んでしまって……』



ここまで話すと、仁美の動揺が電話越しにも伝わってきた。



「どうしたの?」



『わたしに、一夏さんの事を詳しいんですねって言うと、急に怖い目になって……』



私は、麻理の『相手を殺す』と言った時の目を思い出して、背筋にブルブルと何かが走る思いがした。



「脅された?」



『はい……、一夏さんに特別な感情を持っていたりしないですよね? って……』



情景が浮かぶ。仁美は初心な女だ、麻理に睨まれたらひとたまりもないだろう。



「なんて答えたの?」



『すみません……、なんだか瞳の奥を見透かすような目で見られて、否定はしたんですけど顔に出たかもしれません』



仁美の声は、今にも泣きだしそうだった。




「彼女は、妻の"はとこ"なんだ。 僕の浮気を監視している」



『まあ! どうしましょう。

バレたでしょうか? わたし、どうしたら良いですか?』




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