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変態ですけど、何か?

第13章 玲子先生 ~留学~

食事が終わって、二人で並んでCDを聴きながら、
あたしは話す。

「あのね、靖子。少し話があるの」

あたしが改まって言うと、靖子の表情に緊張が走る。

「なあに?何でも遠慮しないで話して」

あたしは少し躊躇ったが、玲子先生からの手紙のことを話した。

靖子は黙って、あたしの話を聞いている。

「あたしね、心のどこかでは、玲子先生との再会を望んでいたのかも知れない。

もう一度、高校時代みたいな関係に戻ることを、願っていたのかも・・・。

でもね、先週玲子先生からの手紙をもらって、
自分の本当の気持ちに気がついた。

今のあたしには、玲子先生より靖子の方が大切なんだって。
靖子に対して、すごく失礼な事を話してるって、わかってる。
他の人と、天秤にかけるような事をして・・・。
でも、あたし・・・」

靖子は、あたしの唇を、人差し指で押さえた。

「いいのよ、里帆。それ以上話さなくても。
多分、ほとんどの人は、そうなんじゃないかな?
口に出さないだけで・・・。
たった1人だけを愛し続ける人もいる。
でも、心に何人かの人がいて、自分でも決心がつかない時だって、みんなあると思うのよ。
今、里帆は、私の事をいちばん大切に思ってくれる。
それで、私は充分よ」

靖子があたしを抱き締めた。

「私は、里帆と一緒に暮らしたい。
でも、里帆が今のままの方がいいんだったら、無理は言わないわ」

靖子は言った。

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