テキストサイズ

変態ですけど、何か?

第14章 同棲

あたしは、喜んで見せる。。

「あとはねえ、嫌な酔っぱらい!スナックまで迎えに行ってさ、10分も待たされて、結局1000円だってさ。
ふざけるんじゃねえ!って感じ。
まあ、タクシードライバーは、1000円の積み重ねで、おまんま食べてるんだけどねえ」

「そうなんだ。回りで見てるより、大変な仕事だよねぇ」

「そうだよ。荷物の積み降ろしもないし、車運転してるだけで、金になって、楽な仕事だって言われるけどね」

靖子はため息をついた。

「靖子。お客さんなんて、そんなもんだよ。
あたしも、コールセンターにいたときは、『電話番は楽でいいよなあ』なんて言われたわ」

「へえ!初めて聞いた。で、里帆はどうしたの?」

「ええ、楽ですよ!あなたもコールセンターで働けばいいのに、って、教えてあげたわ」

「ふぅん。それで、大丈夫だったの?」

「何か、室長のところにクレーム入ったみたいだけど、何も言われなかったわ。
別にコールセンターの仕事に未練はなかったし、クビならクビで仕方ないって思ってたから」

「そうなんだ。ちょっとうらやましいかも」

靖子は言った。

「あたし、思うんだ。靖子も、もっと自由に生きたらいいのにって。
千絵はもう、お嫁に行ったし、もし、靖子が失業したら、あたしが頑張るから」

「でも・・・」

「靖子は、あたしより年上だから、あたしを守ってくれようとしてるんだと思うけど、
あたしたちは親子じゃないもの。
恋人同志でしょ?
今はあたしは失業者だけど、もし、逆の立場でも、あたしは靖子のところにきてたよ」

「ありがとうね、里帆」

靖子は頭からシャワーを浴びた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ