テキストサイズ

変態ですけど、何か?

第15章 パパのこと ~2~

しばらくして、カチャッという音がして、玄関が開いた。

「こんにちは、はじめまして」

ママとは正反対の、ポッチャリとした女性が、笑顔を湛えて入ってきた。

「今井美佐子です。里帆さん、ですね?」

美佐子が言った。

「はい。はじめまして。父がお世話になってます」

あたしは、挨拶を返した。

確かに、美人ではないけど、人懐っこい感じで優しそうな女性。
年は、靖子より少し上かな?

『ママ』というよりは『お母さん』って雰囲気。

今まで、あたしの身近には居なかったタイプ。

「あんまり見つめられると、恥ずかしいわ」

美佐子はコロコロと笑いながら、あたしに言った。

「ごめんなさい。パパとお似合いだなって思って・・・」

あたしは言った。

この女性なら、多分パパも、ママといた時よりも幸せなように思える。

お互いに気負わずに、毎日をのんびり過ごしていけそう。

「里帆さんに、そう言ってもらえて、ホッとしたわ」

美佐子が言う。

「パパとは、どこで知り合われたんですか?」

あたしが訊ねた。

「お父さんの会社のね、取引先で働いていたの。
営業で来られた時に、私が応対に出て、お知り合いになったのよ。
いろいろお話するうちに、意気投合して。
離婚されたって話を聞いて、私もバツイチだから共通の話題も多くてね」

「そうなんですか。パパも、なかなか・・・」

あたしはパパの方を見た。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ