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誓いのガーランド

第15章 花畑の来訪者 3

カレーを目前に、食卓につけない悲しみはひとしおである。

「えー、そこまでしなくても」

駄々をこねる花実に、楓は怖い顔で告げた。

「この毛が俺には命取りだ、ちゃんとしないと猫と遊ばせない」

「わかったよ……」

仕方なく、風呂場に直行する花実を見て、やれやれとでも言うように楓は肩をすくめる。
花実は唇を尖らせる。
お互い、誰かと暮らすって大変、などと思ってみたりしていた。

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