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スーパーまでは歩いて5分。
楓に言われたように、すぐに帰ろうと思って、卵だけを手に取って、レジに並んだ時だった。

「あ、この間の」

花実はそう声をかけられ、ドキッとして後ろを振り向く。少し警戒していただけに、その笑顔を見て、ほっと息をついた。
それは、この間、玄関先で永山と揉み合っていたときに、助けてくれた女性だった。

「あぁ、この前は……ありがとうございました。お名前……聞かなかったですね」

花実はその女性と話をする。

「そうでしたね、中根と言います。わたしもこの近所なんです、家」

お互い会計を終えると、店を出た。

「じゃあ、わたしはこの辺で」

花実が別れようとすると、中根が言った。