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誓いのガーランド

第9章 花冠の代わりに 2

「え……」

今度は花実が驚いて顔を上げる。
角村は、ゆっくりと、花実の手に自分の手を重ねた。
その仕草がとてもしっとりして、色っぽい。
花実に触れたところから、角村の抑えきれない気持ちが伝わっていく。

「……俺だって酔ってないわけではないし、男だ。理性が効かないよ? 宇吹さんのせいだ」

角村は、花実の手を取ったまま、立ち上がる。
いつもと全く雰囲気が違う角村に、少し胸がきゅっと縮こまる。
怖いのではない……おかしなことに、少し、わくわくしていた。

「続き。ガーランドには続きがある。この状況を招いたのは宇吹さん。嫌じゃなかったら、ついてきてくれる?」

花実はひとつ、縦に頷く。
角村の言葉が何を意味しているのか、分からないわけではなかった。

花実も立ち上がる。

すると、角村が花実の指に自分の指を絡めて、ぎゅっと手を繋いだ。大きな手に花実の小さな手が包み込まれて離れなくなる。
その力強さに、角村がいつもより余裕がないことに気付かされる。

花実は角村に手を引かれるままに、夜の街へと歩き出した。

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