ハニードロップ
第1章 夢
部屋を出て、エレベーターに乗る。それから、どうやって来たっけ……?
一階に着き、フロントに行くと、ホテルマンの人が一瞬目を丸くした。
「すみません、出口が分からなくて……」
「お帰りですか?」
「え?はい……」
なぜこんなに驚いた顔をしているんだろう。首を傾げると、彼も困惑したような表情で首を傾げる。
「三木村様から、北山様のご要望を何でも聞くように仰せつかっています。エステ、朝食、昼食、マッサージ、すぐに準備できますが」
「えっ、ええ、そんな、大丈夫です!こんな一般人に高級ホテルのサービスは……、お、お金そんなに持ってないので」
「料金は全て三木村様から頂戴しておりますので」
「ほー!」
さすが人気俳優は女子の喜ぶこと、何でも知ってる!モテるんだろうなぁ。やっぱり、世界の違う人だ。
「ほんとに、大丈夫です。お世話になりました」
「あの、北山様」
「はい」
「本当にお帰りになられるのですか」
「え、はい……」
「三木村様は19時にはお戻りになるとお聞きしていますが」
「ならそれまでに帰らないと」
まだいたのかよなんて言われたらさすがに落ち込む。ホテルマンさんはとても困った顔をしている。こっちも困惑してきた……。
「あ、もしかして宿泊料金ですか?どうしよう、いくらか聞くのが怖いけど、少しなら貯金は……」
「いえ、宿泊料金も三木村様からいただいております。……タクシー呼びましょうか」
「そうですか……。タクシーは大丈夫です。出口さえ教えてもらえたら」
お金を一円も払わずにこんな高級ホテルに泊まってよかったのかな。何だか申し訳ない気持ちになるけれど、どうしようもないか。私は教えてもらった出口に向かって歩き出したのだった。
一階に着き、フロントに行くと、ホテルマンの人が一瞬目を丸くした。
「すみません、出口が分からなくて……」
「お帰りですか?」
「え?はい……」
なぜこんなに驚いた顔をしているんだろう。首を傾げると、彼も困惑したような表情で首を傾げる。
「三木村様から、北山様のご要望を何でも聞くように仰せつかっています。エステ、朝食、昼食、マッサージ、すぐに準備できますが」
「えっ、ええ、そんな、大丈夫です!こんな一般人に高級ホテルのサービスは……、お、お金そんなに持ってないので」
「料金は全て三木村様から頂戴しておりますので」
「ほー!」
さすが人気俳優は女子の喜ぶこと、何でも知ってる!モテるんだろうなぁ。やっぱり、世界の違う人だ。
「ほんとに、大丈夫です。お世話になりました」
「あの、北山様」
「はい」
「本当にお帰りになられるのですか」
「え、はい……」
「三木村様は19時にはお戻りになるとお聞きしていますが」
「ならそれまでに帰らないと」
まだいたのかよなんて言われたらさすがに落ち込む。ホテルマンさんはとても困った顔をしている。こっちも困惑してきた……。
「あ、もしかして宿泊料金ですか?どうしよう、いくらか聞くのが怖いけど、少しなら貯金は……」
「いえ、宿泊料金も三木村様からいただいております。……タクシー呼びましょうか」
「そうですか……。タクシーは大丈夫です。出口さえ教えてもらえたら」
お金を一円も払わずにこんな高級ホテルに泊まってよかったのかな。何だか申し訳ない気持ちになるけれど、どうしようもないか。私は教えてもらった出口に向かって歩き出したのだった。