テキストサイズ

イキ狂う敏腕社長秘書

第5章 【妖艶にして耽溺】






「次もあるよね…!?」




去ろうとする私の手を取りまだ引き止めてきた。




何だかいたまれない気分。
やり逃げする男ってこんな感情なんだろうか?
勿論、私はやり逃げではないけれど。




「この関係は2人だけの秘密…ですよ?仕事に支障は出したくないので」




「うん、勿論わかってる……でもこれで終わりじゃないよね?付き合ってるって思って良い?」




「えっと……私が一ノ瀬さんの彼女ですか?」




「ダ……ダメかな?」




ちゃんとした確証が欲しいんだよね。
どうしようかな。




「彼女にしてもらえるんですか…?」




耳まで真っ赤にして慣れてない素振りも上手になってきた。
「え……嬉しい」って涙ぐむのもお手のもので。
憑依型ってこういうことだよ。




「俺はずっと始めから真田さんしか見てなかったよ、気付いてたでしょ」




「……自惚れちゃいけないって思ってました」




「自惚れてよ……俺、自分がオタクで良かったった心底思ったんだから」




「なかなか私についてこれる人は居ないですけど、私で良ければこれからも宜しくお願いします」




「俺こそ、誰よりもついていってログインしてるキミを隣で見れるよう頑張るから」




「何気にイジってます?」




「イジってないよ!それくらい仲良くなれたらなって思ってる」





サッと腕時計を見て時間を確認する。




「すみません、17分後の電車には乗りたいのでこれで!」




「えっ、あっ……」




風のように去って行くのもキャラ作りの為。
びっくりするくらいマイペースで居てやろうと思う。
どれだけ私にのめり込んでるかよくわかるだろう。



とか何とか言っちゃって。




本当は家まで送るとか言わせない為だ。
鉢合わせさせないようにするのもひと苦労ね。




今日はいつもと違う人。
時間ぴったりに到着するローイスロイス。
後部座席から顔を出した明里さんは「乗って」と開けてくれた。




「お久しぶりです」




式典ぶりだから少し緊張する。 
明里さん、プライベートも結構露出は高め。
目のやり場に困るスリットドレス。
今日は運転手付きだ。











ストーリーメニュー

TOPTOPへ