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まどろみは君の隣で

第1章 安全なラブソング

 透くんの部屋は透くんの匂いがする。透くんのベッドは透くんの匂いがする。透くんの体は透くんの匂いがする。手際よく私の服を脱がせながら、透くんは私の胸に顔を埋める。ブラに沿ってゆっくりと、温かい舌が這う。バイト終わりで、しかも帰りは走っていたから汗臭いかもしれない。今更そんな羞恥心が込み上げてきて透くんの胸を緩く押すけれど、そんなものは抵抗にもならない。口角を上げた透くんは楽しそうに私の恥ずかしがる顔を見てブラのホックを外す。あえてゆっくりとブラをずらしていくと、露わになった双丘に唇を寄せた。

「あっ、んん」

 ぺろりと。赤い舌が乳首を舐める。びくんと跳ねた体を抱き締め、透くんはそこを舐めたり吸ったり噛んだり。そんな単純な繰り返しも淫靡で扇情的。いつの間にか羞恥心より快感が上回っていた。

「ねぇ、しぃ。濡れすぎでしょ」

 私のパンツに手をかけながら透くんは笑う。いつもは優しいのにこういう時の透くんは意地悪だ。大きく開かされたそこは無意識の内にヒクヒクと動く。
 こうして透くんとセックスするのは何回目だろう。初めて透くんとセックスした時、今まで経験してきたのは何だったのだろうと思った。英太くんを忘れるために何人か付き合った彼氏とのセックスは、あまりに稚拙なものだったのだ、と。自分だけが気持ちよくなれればよかったのだ。まぁ、私も彼らを利用していたのだから同罪だけれど。

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