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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第8章 本当の話をしよう

軽傷で運ばれてきた子どもの中に、幼い姉弟がいた。怪我の手当で、待合室のベンチに座っていた。女の子の方は、小学校高学年くらい、男の子は就学前のようだった。
女の子の方が、俺の事を呼び止めた。

「先生!! 助けて、翔太が!!」

軽傷だった男の子の方が、腹部を抑えてうずくまる。腹部を打撲していたようだった。

「翔太くん、大丈夫、大丈夫だからね」

声をかけながら、腹部の様子を見る。
検査が必要だと判断して、看護師を呼び止めた時だった。

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