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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第8章 本当の話をしよう

酷く落ち込んだ。
助かるはずだった命かもしれない。
それを、救いきれなかった。
決して医師の立場に、胡座をかいていた訳ではない。
それまでに、病気で亡くなっていく子どもをたくさん見た。それがつらかった。できるだけ子どもたちを大人に近づけたくて。明るい未来を見せられるようになりたくて。

毎日必死に勉強して、現場に出て、それでも足りないと思いながら食らいついていた、その日々の中で、起きた出来事だった。

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