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｢敬人にぃに、今の人、なんで名前呼び捨てなの？｣



あの人が去ってから、小さく聞いた。



｢あぁ、アイツボーイッシュでさ。男も女も同じなんだよ｣




絶対違う。あの人、にぃにのこと狙ってる。


咄嗟に私はにぃにの服の裾を掴んだ。



「なんだよ、みりか(笑) 5年生のくせに甘えん坊だな」


にぃにはそう言って笑うけど、甘えじゃない。あの人に取られたくない。



「…またこの時間に帰ってくるから、あの人によろしく言っておいてくれる？」



「あぁ、わかったよ。あいつお前が気に入ったみたいだから喜ぶよ」



…にぃにの馬鹿