🏠️家庭内恋愛💕
第9章 善意の行為
「もしもし、お義父さん?今年も新米を送って頂きありがとうございます」
「おお――――届いたか?今年の米はいいできでだ!旨いぞ」
今年の新米を長男夫婦に送ると、お嫁さんの希伊子(きいこ)さんから電話があった。
「毎月のお米もありがたいのに…新米まで…」
「な~に、こっちは農家じゃ――――息子や孫にしてやれることはこれぐらいだ…」
久則は長男の嫁がこうやってお礼の電話をかけてきてくることに喜びを感じていた。
久則には息子が二人いて、次男の所にも毎月お米を送っているが――――次男の嫁からは一度もお礼の連絡など来たことがなかった。
どちらも実家をでて自立した息子たちではあるが…嫁の違いをまざまざと感じてしまう。