🏠️家庭内恋愛💕
第9章 善意の行為
「そうだ、お義母さんがなくなって…もう、1年ですね――――…」
「そうだったなぁ…そろそろ遺品の整理をと、思っているが……なかなか手をつけられんでいたよ」
久則の妻は1年前に病気でこの世を去った。
息子たちも独立して――――夫婦水入らずの余生を楽しもうと思った矢先の……妻の死に、久則は戸惑ったが農家に休みはなく…稲の世話であっという間に一年を過ごしてしまった。
「あの――――…遺品の整理に行きましょうか?」
久則は希伊子の提案に「いいのかい?」と、一瞬喜んだ!
しかし、すぐに社交辞令だと自分を戒める。
「しかし、無理に来なくても大丈夫だよ。アイツも病気になってから――――…少しづつ自分の物を整理していたみたいだし…」
「そう――――ですか?」
少し、落ち込んだ返事に久則は「ありがとう」と、希伊子の気遣いに感謝して――――その日は電話を切った。