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「お義父さん――――コーヒー煎れたよ…」



仏壇から戻る義理父をみて希は不安そうな顔をする。


「ん、ありがとう――――」


その表情は葉史芽にも分かったが、何も言わなかった。



希は――――昨年亡くなった良子の連れ子だった。


「お義父さん、今日は早いの？一緒に映画見る？」


朝食を一緒に食べながら希がDVDを見せた。


「ん～…多分、大丈夫。希は部活は？」


「もう、高３だよ？部活は引退しました。先週、後輩に追い出し会されたって言ったじゃない」



「――――そうだっけ…ヤバい、記憶喪失」


「お義父さん、ボケ始まったんじゃない？」



希はミルク多目のコーヒーを飲むと「ヤバいね！」と、葉史芽を笑った。