🏠️家庭内恋愛💕
第5章 身代わり終着点
そんな事を考えても…
最悪な状況は変わらないし――――…変えたいとも…
もう…
思わなくなっていた。
しばらくすると、姉が部屋に入っていく音が聞こえた。
幼いと時から隣同士の部屋で――――…壁一枚向こうには姉がいると思っただけで…彰吾の欲は込み上げるも――――…
満たされたことは一度もなかった。
――――~♪
微かに…姉の鼻唄が聞こえる…
壁の向こうには…恋い焦がれて止まない姉がいるが…
彰吾はその一枚の壁が――――厚くて…怖くて…
越えられない。
世間体――――…
常識――――…
家族感――――…
それよりも……自分が異常であると…
姉に知られたく――――なかった。
「――――最低の…弱虫…」
彰吾は姉の微かに聞こえる鼻唄を遮るように…ベッドに潜り込んだ。