🏠️家庭内恋愛💕
第7章 田中コレクション
「え!?兄ちゃん…知ってた?」
「あ~…前々から打診はされてて…ユリ子と話し合って――――3ヶ月ぐらいならいいかって…俺たち互いに仕事してるから、専業主婦の母さん見たいな暮らしは出来ないからな?つ――――か、ユリ子を母さんや家政婦的扱いしたら即追い出すからな!」
「は!?しねぇよ!ユリ子さんが母さんの代わり?バカ言うなよ、母さんとユリ子さんとじゃ月と豚だろ?――――見ろよ、この腹…ユリ子さんの3倍はあるぞ?」
恭志智が母親の残念な腹を指差すと――――気分を害した母の反撃にあい…恭志智の鍋の取り皿には春菊が大量に追加された。
「もう――――、恭志智くんったら大げさ!恭志智くんからしたら私だって相当なおばさんじゃない?爽志智さんより5つも年上なんだから!」
母と恭志智のやり取りに大笑いするユリ子は、しっかり者の姉さん女房である。
兄の爽志智と会社で知り合ったと言うが、ユリ子の方が5つも先輩で――――年上である。
そもそも、恭志智と爽志智も年の離れた兄弟であるが、それよりも5つも年上のユリ子を“オバサン”呼ばわり出来ない。
それもそのはず、ユリ子は美しく“オバサン”と呼ぶには相応しくない出来る女!キャリア・ウーマンだからだ!
長い髪は艶々――――…お肌はプルプル、指の先までちゃんと整えられ、ネイルが欠けている剥がれているなんて事は一度も見たことがないと恭志智は思っていた。