
戦場のマリオネット
第2章 終わりなき責め苦
「無様な顔だ……イリナ。どうだい?これでも女神様に顔向け出来る?」
唾液を舌に受けとめて、血色が浮かぶほど喉を吸い上げる。
か細い奇声に切なげな音が混じるのを聞きながら、露出した性器に指を伸ばすと、うっすらと赤の混じった透明な粘液が付着した。それをクリトリスに塗りつけて、弾いたりつねったりしてこねくる。
クレバスの上部の突起が赤みを増して、小指の先くらいの大きさにまで膨らんでいく。緊縛されたイリナの裸体が、捕獲したばかりの獣のように縄を揺らす。
「あ"ぁ"ぁ"アァッ……!!あ"ーーー!!……」
つと、ミリアムが私に呼びかけた。
私が何かと訊ねると、彼女が躊躇いがちに口を開く。
「畏れ入ります、ラシュレ隊長。その者は罪人です。隊長自らがお手を汚されなくても、その者を懲らしめるお役は私がお引き受け致しますが」
「本当に優秀な部下だ。君にはあとで任せたいことがある。もうしばらく見逃しておいてくれないか?」
苦虫を噛み潰した顔をして、ミリアムが了解を示した。
裂傷が快楽を妨げる懸念があったが、イリナは想定以上に乱れていた。
開けっ広げにされた自分の身体をすみずみまでいじられる様を第三者が見ているという状況は、被虐性欲でも備わっていない人間なら、癪に触るだけだろう。しかしリディに献身的な彼女の気性を思えば、被支配に恍惚とする傾向は持ち合わせているはずだった。
