
戦場のマリオネット
第3章 懐柔という支配
貞操を守るためのドロワーズを引きずり下ろして、薄いシミの滲んだレースのショーツを脱がせた。
甘酸っぱい匂いが濃度を増す。
肩胸に腕を埋めて口許に緩く拳を握ったアレットが、とろんとした涙目を宙に彷徨わせている。
「愛してる……愛してるわ、お姉様……」
何故、添い遂げられもしないのに、同じ屋根の下に生を受けてしまったか。
言葉なく交わした視線の中で、私達はそうした不条理を嘆きながら、この先の儀式に思いを馳せていたのだと思う。
快楽ではなく儀式だったのは、アレットが初めてだったからだ。しっとりと濡れた肉薔薇は、投げ出した二本の脚の間で、無垢な花弁を閉じている。
「私も愛してるよ、アレット。……」
薄い茂みに唇を寄せて縮れ毛を愛でる。アレットの匂いが私を包む。恥丘にキスして、折り重なる肉襞の割れ目に舌を伸ばして、上下に撫でるようにして愛液の味を確かめる。
「ぁっ……ん!アァッ…………あっ……」
無味と酸味と水飴のような甘さが、私に染み通ってくる。
