🕯️悪夢の神様🕯️
第11章 女王蜂のキツネ
「うわぁぁぁぁ!」
俺はたまらず叫んでしまった!
すると、恐ろしい形相で睨んでいた桂が無理やり未來ちゃんの腕を振り払った――――!
そして!
頭を押さえながら…再び未來ちゃんを睨み付け――――
「なんなの!――――これは、なんなの!この、化け物!」
と、怒鳴り襲い掛かってきた!
とっさに俺は未來ちゃんの前に立ち――――顔面に一発パンチを食らった!
が――――…オス女のパンチは元ボクサーの俺には…猫パチンなみの強さで…衝撃はきたが俺をリングに上げるまでには…至らなかった。
「――――化け物…化け物…」
桂は、俺の後ろにいる未來ちゃんに向けて――――何度もそう言った。
憎しみのある…表情で――――…
だが、一瞬だが俺に流れたビジョンから…
見たくない…
見せたくない…モノを桂は未來ちゃんから見せられ――――…
怒っているだけなのだ…
そんな……コイツに…
未來ちゃんが“化け物”呼ばわりされる筋合いはない…。
俺は、桂の再び振り下ろされる腕を掴み――――…
「化け物は…お前だろ――――…マジで“愛ってなんだよ”」
そう――――言った。
すると、憎しみの表情が俺に向けられた。
「黙れ――――…」
桂は――――…そう言ったきり…口を開かなかった。
それからしばらくして、警備員と警察が保健室に到着し――――…
桂は――――連れていかれた。