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ヌードモデル、人間ドックに行く

第1章 検査着は脱ぎますか?

いろんな検査があったなかで、心電図が強く印象に残っているのは、コードで機械につながれる唯一の検査だったからだろう。

SF映画みたいと思いながら、パンツ一枚の女児である私は緊張していた。

やがて、上半身裸はしかたないが、スカート等を穿いたままで心電図検査はできることを知る。

受験を控えた高3の健康診断は、市内の病院に依頼する本格的なものだったため、クラス別に日をずらしての実施だった。

先発隊となったクラスが、男性のレントゲン技師が金具がついてないのにブラジャーを外すように指示したとか、内科検診でパンツ一枚でベッドに寝かされたとか、真偽の疑わしい報告を流した。

(実際に自分のクラスの日になると、あながちデタラメではなかったことを知るのだが)

その点、例外なく下半身の短パンだけになる心電図検査は、かえって話の盛りようもなく、スルー気味だった。


続いて内科検診となるのは自然な流れで、
私は、検査着をざっと羽織って診察室に入り、自主的に検査着を脱ぎ、上半身裸で診察してもらった。

初老の男性医師は「ありがたいね」と言った。

若いおっぱいを見られて喜んでいるのではなく、
邪魔な服がなくて診察がしやすいというのだ。

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