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ヌードモデル、人間ドックに行く

第1章 検査着は脱ぎますか?

「上半身裸なら、学校の健診は非常にスムーズになるだろうね」

衣服のこすれる音がしなくていい、ということだ。

そんな本音を聞かされながら、背面の診察に移った。


最後が胃カメラ。

この検査は裸でしてほしいと思うのは私だけなのだろうか。

細かい理屈はわからないけど、麻酔を使うほどの手術では患者を裸体にして監視してないと緊急事態に対応できないんだとか。

素人としては体内に器物を入れる胃カメラが一番緊急事態に陥りやすい気がする。

突発的事態に検査着を脱がす時間はある?

裸体で監視しなくていいのたろうか?

──タイマーが鳴る。服用した消泡剤やら弛緩剤やらが効き始めたということだ。

先端が光っているワイヤーが挿入され、喉を突かれる重い痛みにせきこんだ。

異物が体内深く入っていく。

拷問のような時間が始まり、やがて、終わった。


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