先輩!彼氏にしてください!
第2章 ギトギト青春ライフ
谷川くんの姿を見ながらワナワナと震えた私は、谷川くんを両手で押し退ける。
「ぅっ……先輩っ…」
「サイッッッテイ…!!!!!!」
未だに紅らんだ顔でぼんやりと私を見ている谷川くんは私の叫びを聞いてハッとしたように目を見開いている。
「先輩っ…僕っ…」
「うるさい!! キモチワルイ! しゃべんな! 近付くな! ステイ!!!」
部屋は暑いし、この後輩は意味が分からないし、変態だし、叫びすぎて、頭痛いし。
何で私がこんな目に遭わないといけないの…!!!
「何勝手に一人で発情して…っ……勝手に一人で…っ」
ぎゅっと目を瞑った私は、はぁっ……と息を吐く。
言葉にするのもおぞましい。
私が望んでいたのはもっと爽やかな青春ライフで、こんな、ギトギトのネタネタの気味悪いものではない。
「ご、ごめんなさい…っ…」
「そういうウルウル涙目したって無駄だから!」
「…………ほのか先輩…許して下さい…っ……あの……っ…僕また勘違いして」
何をどう勘違いしたらこんなことになるのか。
もう、話したって無駄だ。
床に目をやって、ついさっき谷川くんから吐き出された欲まみれの白濁した液体を見て、体を震わせたあと、私はそのままダッシュして図書室から抜け出した。