先輩!彼氏にしてください!
第3章 スーパー新会員
賑やかになった生徒会室。
古いパソコンの前で、私は会計の仕事を谷川くんに教えているわけだけど、谷川くんが真面目にやらないからなかなかうまく進まない、
なんてことはなく─────…
「あーなるほど。だったらその計算はマクロ組んじゃった方が楽ですね」
「……そう、だね。私もそう思ってたけど、中々マクロ勉強する時間がなくて…」
そう言っている間に谷川くんはExcelをいじり、私が見たこともない機能を使うと、暗号のような文字列をものすごい勢いで打っていった。
「それで、あとはこのボタン押して少し待てば計算してくれるようになると思います」
「え……」
いや、早技すぎない?
私の今までの苦労をこんな5分程度ですぐに解決しちゃうだなんて…
この子本当何者なの?
「ほら」
「す、すご…」
驚愕しながら、身を乗り出してパソコンの画面を凝視する。
天才…だ………
どこでこんな技術を…
「せ、先輩……」
「ありがとう…助かった」
こればっかりは負けを認めざるを得ないと言うか、素直に感謝したいと言うか。
ちょっと見直したかもしれない。
そう思ってたけど言葉を掛けると谷川くんは頬をほんのり紅らめたあと、両手でその整った顔を覆った。
「近すぎます…またいい匂いがしてきて僕っ…」
げ。
前言撤回。
やっぱりこいつは変人変態野郎だ。