
仔犬のすてっぷ
第13章 優希の傷痕
「じ、じゃあ……今度は、僕が蒼空を気持ち良く………あれ?」
蒼空を見ると、すでにトランクスを履いていて…
僕に色々していた時の、憤りはすでに治まっているようだった。
「それは、もう自分でなんとかしちまったよ。
な〜んだ、してくれる気があったんなら、もう少し待てば良かったかあ?」
苦笑いしながら蒼空は頭をガリガリ掻いた。
「まあ、それも気にすんな☆
機会があったら、そんときは頼むわ♡」
蒼空……
君は・・・本当に……?
「んなことより、汗かいたし、身体冷えてきたし…もう一度、風呂入らんか?」
ベットから降りて立ち上がると、蒼空は僕に手を差し出した。
「ほれ。はよお、行こまい?」
「・・・健康線が途中で切れてる。怪我や病気には気を付けたほうがいいね。あと恋愛線が……」
「……ここでそのネタ使うか?普通(汗)」
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「っつは〜…生き返るぅ〜!」
「……ついさっきまでは、あんなに恥じらいがあったっつーのに……
喜んで、良いのか、悪いのか・・・」
湯船に浸かって温泉を堪能する僕を見ながら、蒼空が少し寂しそうに苦笑いしている。
「いやまあ、流石に見られたくなかったものは全部見られた挙句……アソコ弄られ、イかされ、お尻の穴まで触られた人間が、他に何を恥じらえばいいのかね?風見くん」
「開き直るの、早いな……やっぱ、そこは男だな」
「……ホントは、まだ、少し恥ずかしいよ……
だけど、嫌な恥ずかしさでは無いんだよね」
多分、勃起した蒼空のアソコ……見せられたら相当恥ずかしいだろうし……(さっきされてる時ちょっとだけ見たけど…)
「・・・アケミ、リカ、サチ…ってのは、聞かれたら恥ずかしい名前か?」
ざばあああっ!
僕は、蒼空のそのセリフで思わず立ち上がる。
な、なんでその名前をっ?!
「なっ……なんでっ?!」
「何でって……さっき、寝言でさ。
随分と魘されて(うなされて)たし……気にはなるわな?」
・・・そっか…
まあ…そうだよね。
確かにさっき、その夢を見たし・・・
「………その人達は……この疵に関わる人達なんだ」
僕は、胸と太もものキズ跡を触りながら蒼空を見た。
