テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第3章 風海 蒼空 (かざみ そら)




 彼の名前は

 風海 蒼空(かざみ そら)



今年秋で20歳になるらしい。

口頭で答えずに、わざわざ紙に書いて説明するあたり、名前には思い入れがあるのかもしれない。

(…いわゆるキラキラネームってやつかなあ?)

 まあ、読み方が分からないとかではないし、そういう流行りとは関係が無いかもしれないが。



 ここで倒れていた経緯を聞いてみれば


 まず驚きなのは『ボーイズ・バー』なるものが本当に存在していると言う事。

 彼はそこの従業員で、指名率の高い、お店にとっては “顔的存在” という事らしく。
 表向き、喫茶店みたいにお客を饗す(もてなす)メイドカフェや、執事喫茶みたいなノリのお店なのだが。
 …裏では高い料金を払えば、ボーイを独占、持出しデートが出来たり、お金次第では色々できちゃたりなんかする・・・

そんなお店で、彼は働いていて。

 ただ、彼らの場合は特別な身体の関係は基本的にはNGで、利用する側と、ボーイが双方同意出来た場合、お店に必ず誓約書を提出し、お店、お客様、ボーイの3者が完全に同意しなければ、認められない事になっている・・・


……と、いう事らしいけど。

それ…経営者が、危ない方々だった場合……ボーイは有無無く泣きを見るのでは……?





ストーリーメニュー

TOPTOPへ