
仔犬のすてっぷ
第15章 嵐の予感
「・・・・・・・・・ねえ?
もりりん。私・・・
優ちゃんのコトだけど、一時的にうちで預かろうか?」
歩美さんが、少しだけ間を置いてから1つの話を提案してきた。
「うちの店の中なら、連中は簡単には手が出せないし、蒼空並みに戦闘力高いのも沢山いるしぃ」
「・・・そりゃあ、まあ・・・
確かに不特定多数が出入り出来るパチンコ屋よりは、会員制で、出入りにはボディーチェックまでしているオマエの店のほうが安全だろうが・・・林原をそこへ行かせるって事は・・・」
森川店長は、始め歩美さんを見てから、次に僕を見て・・・さらに蒼空を見てから、今度は値踏みするように顎に手を当てながら僕をじーっ…と見つめ、苦笑いする。
・・・な、なんだろう?
「林原は、マニアックな客にしか受けんぞ?
内勤なら、メインは女性客だろ?」
・・・・・・う、う〜ん・・・(汗)
確かに、蒼空と比べれば僕と彼とでは月と太陽ほどの違いがある。
彼はイケメンだろうが、僕は・・・。
「あら?近頃の女の達の需要は、守ってもらうより護ってあげたいっていうタイプに多いのよ?それに・・・」
歩美さんが僕をじーっ…と見ると
「人見知りしそうなところは仕方ないにしても…
物腰が柔らかいし、結構初対面の人にも分け隔てなく話し掛けられるみたいだし、世話好きだし・・・なにより、引っ込み思案な女の子でも、優ちゃんにならお話しできそうじゃない?」
・・・・・・このヒト・・・
ちょっとしか言葉を交わしてないのに・・・僕を全部見透かしてる・・・?
「な?凄えだろ?うちのオーナーの人を見る目は、下手な占い師やセラピストよりあるんだ」
蒼空は苦笑いしつつも、ちょっと自慢気になりながら僕に説明してくれた。
「・・・気を付けないと、俺達の間に何があったのかさえ見透かしちまうからな?」
・・・はぅ★
そ、それは流石にまずいなぁ・・・(大汗)
