
仔犬のすてっぷ
第16章 潜入!ボーイズ・バー
「・・・アンタ、またナンパしまくってそこらへんの女の子、泣かせたりしてないでしょうね?全く・・・処理に回る私達の事、少しは考えなさいって何回言わせれば・・・・」
ほっ★
よかった。バレてな・・・・・・ん?
な、…な・ん・ぱ?
…とりあえず蒼空の顔を見てみる。
…目と目が合う。
蒼空の眼の奥を見ようとすると
蒼空の目がす〜っ…と に げ た。
「・・・風海、くぅん?」
びくうっ!!
僕の1オクターブ低い声を聞いた蒼空が体を硬直させたまま、20センチほど跳び上がった。
「どういう、コトか、説明、して、頂け、ますかあ?」
デニムシャツの襟元をむんずと掴み、ソラの眼の奥を強制的に覗き込もうとする僕に、彼はタジタジになりながら
「むっ・・・昔の話しだ。今はもう、オーナーにこっ酷く叱られてからナンパなんてして……るけど、女の子を泣かすよ〜な事は一切して無い。マジで!」
腕をぱたぱたさせながら必死になって弁明しようとする蒼空を、オーナーはニヤニヤしながら見ていた。
「・・・そっか。蒼空は今回は男色へ方向転換したか。まあ、優ちゃん可愛いし、気持ちは良く分かるわぁ♬」
・・・あ゛
ば、バレた・・・・・(汗)
「い、いや…俺的には男色に走ったって感じじゃ無いんだけれども……(汗)」
「可愛いって…一応、コレでも僕はオトコで、女の子が好きで・・・恋人の奈緒ちゃんだっているし・・・」
「な、なにぃ?!恋人がいる?!俺は聞いてないぞそんな事は!!」
「話す暇なんか無かったじゃないかあ!」
「話せたはずだろ?!時間ならあったって!」
「いつ話せたよ?!今までの話の流れじゃ無理だよっ!」
「人のコト責める暇があったんだから・・・」
「ハイハイ☆痴話喧嘩はその位にしておきましょうね♡
ああ、暑いわねぇ〜〜♪この車、エアコン効いてるはずなんだけどなぁ〜〜♬」
ぱんぱん☆と手を叩いたあと、手持ちの大扇子を開いてパタパタと扇ぎだした歩美さんが、満面の笑みで僕らを見ている。
ち・・・・・ちわ、げんか・・・
ぼしゅん!
僕の顔が真赤に染まった。
あ…僕も熱くて暑いや・・・・・・・・(照れ)
