
仔犬のすてっぷ
第17章 予期せぬ来客
結局、キャラ祭りの特別イベントだと思ってくれたお客様二人は、超レアものらしいブラックカ▼ル出現に、きゃ〜きゃ〜黄色い声を上げて喜んでくれたから良かったけど・・・
・・・そう、今はまだ、仕事中なんだ。
接客しなく・・・え?!
いつの間にか奈緒ちゃんが…僕の服の裾をしっかり握っていて。
「・・・離れないで、□ラン君」
え〜っと・・・奈緒ちゃんは、確かにロラ○のファンだったけど………
こんなに積極的だったっけ?
そう思って、彼女を見ると…
あれ?
なんか・・・眼が…据わってない?
「私…今のジュース……おかわりが欲しい」
ジュースの、おかわりね。
確かさっき……準備してたのは蒼空だったね…
「ね、ねえ、蒼空…ウエルカムドリンクって…何のジュース?おかわりが欲しいって・・・」
「ジュース?ウエルカムドリンクは、ジュースじゃなくてサービスシャンパンだから、お酒だぞ?」
ディ●・森川にあっさり逃げられて、すぐにヒイ□・蒼空の腕に飛び付き腕にまとわり付いて絡む絵美里お嬢様を、なんとか引っ剥がしながら、蒼空が答える。
お酒・・・
そーいえば、奈緒ちゃんって…一緒にお酒を飲んだことは無いけど・・・
「ロラ○?さっきのジュース、ま・だ・あ??」
……あ゛。さらに眼が据わってる?!
奈緒ちゃん……君、もしかしてお酒飲んだの初めてなんじゃ………?
グイグイっ!と裾が伸びちゃうほど強く引っ張られ、いつもの彼女には無い反応を見た僕は事の重大さを知った。
奈緒ちゃんは・・・お酒を飲ませちゃいけない人だったんだねぇ〜…って。
いや、感心してる場合じゃない。
どうやってなだめる?(大汗)
