
仔犬のすてっぷ
第17章 予期せぬ来客
「ちょ…ちょっと待って下さい、奈緒お嬢様。今、準備しますから…わあ?!…痛っ!」
さらに裾をぎゅんっ!と引っ張られ、踏ん張りきれずに僕は床に尻もちをついた。
「だらしないわね、□ラン。これしきの事で転ぶなんて、日頃の鍛錬が足りない証拠よ?」
「はっ…はい。すみません、奈緒お嬢様」
「奈緒じゃなくて、ソシエよ?□ラン」
・・・・・あうっ(汗)
奈緒ちゃんが……たった今、お酒にやられて別の世界の扉を開けましたぁ〜!(←ヤケクソ)
「面白い子だな…多分、こっちがこの子の本質だと見た♬」
イザーク・潤が、スパークリングワインを持ってひょいっ、と奈緒ちゃんの手に渡しながら顔を出す。
「勝手に人の彼女の分析をしないで下さい!」
「ちょっと…勝手に人を彼女扱いしないでくれる?」
「あ、は、はい!すみません、ソシエ様」
な、なんだか・・・大変な事になって来ちゃたなあ(汗)
「・・・なるほど☆本質がこんな感じなら、彼女は優希と付き合えるかもな」
ぐいーっとスパークリングワインを一気に飲み干す奈緒ちゃんの姿を診ながら、蒼空が手をぽんっ☆と叩いた。
「蒼空も納得しないで…ああっ?!駄目だよ奈緒ちゃん!ストップ!ストップ!」
側に置いてあった絵美里お嬢様に出されたスパークリングワインに手を伸ばした奈緒ちゃんの手を握り、飲まないように止めると
「何よぅ…□ランのくせに、わらしにさしふしるひ?」
ろ…ロ列が回らなくなってきてる・・・(汗)
「なーんかぁ・・・あなら、(あなた)わらしの知り合いみはいらほろ、ゆーろれ?(知り合いみたいな事言うのね?)」
コチラをじと〜〜っと見つめた奈緒ちゃんは
僕にびしっ!と、突然指を差すと
「分身なんらひて、ごまかほーろひてほらめらはら!(分身なんかして、誤魔化そーとしてもだめだから!)」
・・・分身なんてしてませんよ?(大汗)
