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仔犬のすてっぷ

第18章 来訪者たち



「そもそも、どうしてそんな事を聞くの?僕ら、普通に友達なだけ……なんだけど?」

…とにかく、今は誤魔化すしかない。
・・・って、このパターンは今までの経験からして…ろくな結果にならないような気が…(汗)



「・・・二人の『眼』が、おかしいのっ!」

 面白く無い、と言わんばかりにほっぺたをぷく〜っと膨らませ、奈緒ちゃんが僕らを交互に睨みつける。



「…優くんの眼は、蒼空君を見る時、時々《大切なモノ》を見るような感じだったし、蒼空君は今でもそうだけど、優くんを見る時、時々《優しい眼》になるの!
さっきお店の中で、他の人達を見ている時と見比べていたんだから、間違いないんだもん!」


・・・・・はうわっ!
や、やっぱり…この子の観察眼は鋭かった!


「・・・やっぱ、女の子の目は簡単には誤魔化せないか……」

頭をガシガシ掻きながら、蒼空は奈緒ちゃんを見て苦笑いした。


「女の子は、みんな感が鋭いからな〜…冗談からそのまま流してスルーさせようとしたのに…いや、流石だな」



・・・蒼空…。
じゃあ、冗談はもう少し選んで言ってくんないかなぁ?心臓に悪いよ・・・(汗)



「ナメないでもらえる?私、感だけは凄いんだから」

 勝ち誇るような感じでふんっ!と鼻息をならし、奈緒ちゃんが胸を張るのを見た蒼空は、少しだけ笑った後、小さな深呼吸をしてから口を開いた。


「悪かった。じゃあ、正直なところを話すと…」



蒼空は、奈緒ちゃんの顔を見た後僕の方を見て







「俺は、優希が好きだ」


と、ハッキリ言い放った。



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