
仔犬のすてっぷ
第19章 過去との再会
・・・・・。
・・・・・・・・・。
…ちゃ……
・・・・・・ぅ…ん……
…ぴちゃん……
・・・はっ?!
……ぴちゃん……
・・・こ、ここは……?
……ぴちゃん……
ズキッ!
溝尾より下、胃の位置より少し左辺りが痛む。
さっき、革ジャンのオジサンに殴られた場所だ。
気絶させられた時は…確か……首と肩の境目辺りに衝撃があったような気はしたけど、痛みは全く残っていないようだ。
(ここにきて、とんでも無い人を出してきたなぁ……)
もしあの時…
身体が動かずにあのオジサンの一撃を受けていたら、今みたいに目が冷めた時…きっとどうして気を失ったのか分からないままだったかもしれない。
(功夫の差があり過ぎでしょ…)
……ぴちゃん……
…それにしても。
両腕を吊り上げられ、膝を地面に付いた状態で拘束され・・・何処からか水滴が滴り落ちる音が響くこの状態……
否応無しに、あの時を思い出させられる。
まだ状況が分からないまま、僕が気が付いた事を知られたくないのであまり頭を動かさないように周囲を見回すと……
「お、気が付いたか嬢ちゃん」
いきなり、さっきのオジサンと目が合ってしまった。
・・・って。
僕の真正面に椅子を置いて、漫画読みながら……泣いて…ないか?あれ。
「あ、あの〜…泣いて、ません?」
僕の…捕まってからの第一声が、変なオジサンへのツッコミって・・・(汗)
「いやぁ〜…日本って世界の漫画って文献は、サイコーに素晴らしい」
……な、何を読んで感激したのか……って、見えている表紙は
〈ハッピー☆シンデレラ・セブン〉
少女漫画なのに少年誌のギャグ漫画よりどぎつい、下ネタギャグ4コマ主体の漫画で……感動もヘッタクレもない漫画…だったはず。
「この、7人のドワーフ達が……健気すぎてなあ〜…泣けてくるぜ」
・・・・・・。
僕は・・・貴方が解らな過ぎて、泣けてきます・・・(大汗)
